オーナー様の排水設備トラブル対策
現状、排水設備にトラブルがなくても経年劣化や入居者の過失などにより、将来的に排水設備のトラブルに直面する可能性があります。今回は排水設備トラブルを未然に防ぐためにオーナー様がとる対策内容についてご紹介します。
1.排水設備のメンテナンス
① 排水管
排水管は建物内で発生する排水や汚水、または建物の敷地内で生じる汚水や雨水を排除するための管を指します。排水管内に汚れやゴミが蓄積すると、不快な臭いが発生する可能性があります。定期的なメンテナンスとして、入居者に頻繁な排水管の清掃(ドラッグストアなどで購入できる専用クリーナーを使用)を奨励することが望ましいです。また、定期的に入居者の協力を得つつ排水管高圧洗浄を専門業者に依頼するのも一つの手段です。
②排水桝
排水桝は、排水中のごみなどを沈殿させて取り除き、下水道のパイプが詰まらないようにする設備です。排水桝内でごみが沈殿して流れを妨げないように、少なくとも年に1回は排水桝を点検して清掃する必要があります。
2.排水設備トラブルの事前対策
①水漏れ対策
洗面所やキッチンシンクの排水管は、一般的に法定の耐用年数が15年とされています。こまめな洗浄メンテナンスを行ったとしても、15年から20年経過すると排水管にひびや損傷が生じ、それが水漏れの引き金となる可能性があります。耐用年数が近づいてきたら、早めに排水管を交換することが賢明です。
②悪臭対策
排水トラップの水が干上がると、異臭が発生する可能性があります。空室がしばらく続く場合、水を定期的に流すことで、新しい入居者が内見する際に悪臭による不快な印象を避けることができます。
③トイレや台所などの流れ悪化対策
トイレや台所の水の流れに問題がある場合、排水管が詰まっている可能性があります。市販の排水管洗浄剤を使って詰まりを解消したり、ラバーカップ(すっぽん)を利用して詰まりを解消します。水の流れが改善しない場合は、排水桝や浄化槽に問題がある可能性もあります。排水桝を点検し沈殿物により流れが妨げられていた場合は、まず応急処置として清掃を行い、その後、専門業者に点検や高圧洗浄などを依頼することが望ましいでしょう。