収益物件を購入する際の給排水設備の確認ポイント
収益物件を購入する際には、給排水設備の確認が重要です。確認を怠って購入後すぐにトラブルが発生し、修繕の為に高額の工事費を負担しなければならない事態に陥ることも考えられます。想定外の費用負担を被ることの無いよう、購入前にしっかりと見極めましょう。以下に、収益物件を購入する際の給排水設備の確認ポイントをいくつか紹介します。
【室内編】
1.入居者(賃借人)がいる場合
仲介会社を通して売主及び入居者双方へ設備機器、給排水の様子(水の出は悪くないか?赤水などになっていないか?排水不良などはないか?)をヒアリングするとともに今までの修繕工事実施の有無、時期についてしっかり把握したいところです。引き渡しを受けるなり修繕費が出るようなことにならない様、事前に把握し不良個所などがあれば購入前に対応してもらうなどの依頼をしましょう。
2.入居者(賃借人)がいない場合
購入前に内覧をしましょう。今までの修繕工事実施の有無や時期を把握することは同様であることに加え、各々の水栓を開閉し漏水の有無(パッキン劣化によってポタポタ水漏れしていないか)を確認するとともに、キッチン、洗面化粧台の部品損傷や傷の程度を確認します。トイレにウォシュレットが設置されている場合は実際に稼働するか試してみてください。給湯器についてはガスが閉栓され試験できないこともありますが、少なくとも製造年月日はしっかり確認してください。一般住宅用については耐用年数が約10年と言われており、先行き交換時期の目安になります。排水口については実際に水を流してみて流れが悪いことはないか、異臭や異音がないかも確認してください(洗濯機パンの排水トラップの清掃不良により排水口が詰まり下階に水漏れした事例もありました)。
【屋外及び共用部編】
1.給水設備の確認
給水ポンプ、揚水ポンプが設置されている場合は正常に作動している様子であるか、ポンプ自体に腐食が無いか、作動時の異音がないか等を確認します。現在に至るまでの整備点検の記録があればその内容や、警報システムの有無についても確認しておきましょう。
2.排水設備(共用排水管、桝等)
雨水桝、排水桝ともできれば蓋を開け、汚泥の詰まりや流れの悪いところはないか、異臭がないかを確認してください。
建物内の排水本管頂部に通気弁が設置されている場合があります。こういった建物では弁の作動不良が起きた際に臭気が広がる場合がありますので、最上階で臭気の有無を確認してください。
地階や地下ピットがある場合、道路より敷地が低い場合には排水用のポンプが最下階の床下に設置されていますので、給水ポンプ同様に動作確認に加え整備点検記録、警報システムの有無を確認してください。
収益物件ではオーナー様ご自身が物件に住むわけではないということもあり、選定にあたっては、どうしても立地や利回りにばかり注目しがちです。しかし、給排水設備に問題が生じ漏水が発生すれば、下階が水浸しになり、賠償責任が発生するケースもあり得るため給排水設備の確認も重要なポイントの一つです。
購入前に専門家の意見も参考にし、できる限り調査した上で意思決定することをおすすめします。